解説

生成AIの活用が進む中で、多くの組織が「レガシーなシステム」という壁に直面しています。

単なるコード生成を超え、大規模かつ複雑な業務プロセス全体へのAI適用を目指す動きが増えています。

今回、IBM Bobがメインフレームや統合プラットフォームなどのレガシー環境を対象とした自動化支援の機能を追加しました。

ポイント

  • IBM Bobに、メインフレームや統合プラットフォームなどのレガシー環境を対象とした事前構築済みワークフロー機能が追加されました。
  • これにより、AIを活用した開発プロジェクトにおける成果物の品質バラつきを抑え、大規模な自動化・モダナイゼーション支援を目指します。
  • マルチエージェント連携や利用状況のコスト可視化といった管理・制御機能も同時に強化されています。

情シスへの影響

メインフレーム(IBM Zシリーズ、IBM i)やJavaなどのレガシーシステムにAI的な自動化処理を導入する際、より構造的で再現性の高いワークフロー設計が必要になります。

情シス部門は、現在管理しているレガシーシステム群がどのようなモダナイゼーションのフェーズにあるか、またどの範囲から新機能の適用が可能かを調査する必要があります。これは特定のツールへの対応というよりも、「自社の開発・自動化プロセスの再構築」に関わる論点です。

もしIBM BobなどのAI支援ツールを導入する計画がある場合、新規ワークフローの設計、関連ツールの連携テスト(特にレガシー環境との接続性)、および新機能による業務プロセス変更に伴う権限管理やセキュリティポリシーの見直しが求められます。

影響範囲

対象となるシステムは、IBM ZシリーズやIBM iなどのメインフレーム、Javaを含む広範囲のレガシーなエンタープライズアプリケーション全般。影響を受けるのは、開発・自動化プロジェクト全体(ワークフロー設計、使用するAIツール、実行されるプロセスなど)。具体的な利用環境については「要確認」です。

重要度

★★★★☆

対象者

  • M365管理者
  • Entra管理者
  • AD管理者
  • ネットワーク管理者
  • セキュリティ担当者
  • 開発管理者
  • 経営企画・IT戦略担当

優先度

計画的に対応

優先度の理由

レガシー環境のモダナイゼーションは、短期的な緊急パッチ適用よりも時間とリソースをかけたプロセス設計が必要です。特にメインフレームや統合プラットフォームといったコアシステムが対象であるため、業務影響度の分析・計画立案を行う段階(計画的対応)が適切です。導入に際しては、既存の認証基盤やネットワークへの影響を深く考慮する必要があります。

確認手順

  • 自社が保有する主要なレガシーシステム(メインフレーム、iシリーズなど)の一覧と依存関係マップを作成し、モダナイゼーション適用範囲を特定する。
  • 既存の開発・自動化プロセスフロー図を見直し、AI適用時に発生し得る品質バラつきや非構造的な作業ポイントを洗い出す。
  • IBM Bobなどの次世代AI開発支援ツールが、自社のレガシーシステム環境(接続プロトコル、認証方式など)と連携可能かベンダー経由で技術調査を行う。
  • マルチエージェント機能を利用する場合のワークフロー設計パターンやデータ連携のセキュリティ要件を定義し、リスク評価を実施する。

推奨対応

  • まず、情シス部門として全社的なレガシーシステム資産の棚卸しとモダナイゼーションロードマップの策定を進めてください。
  • AI開発支援ツール導入検討の際は、単なるコード生成機能に留まらず、「ワークフロー設計」や「プロセス管理」の観点から評価を行い、再現性を担保できるかを確認してください。
  • 技術選定にあたっては、メインフレームなど旧世代システムとの安定的なインターフェース構築が可能なベンダーを選定し、PoC(概念実証)を通じてその有効性と適用範囲を検証することが推奨されます。