解説

近年、インターネットに接続されている各種企業のネットワークセキュリティ機器が標的とされるサイバー攻撃が増加傾向にあります。

特に、「FortiBleed」として知られる活動では、フォルティネット(Fortinet)社製のファイアウォールやVPNゲートウェイなど、多数の機器から漏洩した認証情報(クレデンシャル)が悪用されている状況が報告されています。

この問題を受けてサイバーセキュリティ機関(CISA)は、影響を受ける可能性のあるすべての利用者に対し、極めて緊急性の高い対策を講じるよう求めています。具体的には、全てのVPNや管理者セッションの強制終了とパスワードのリセットなどが求められています。

さらに、単なるパスワード変更に留まらず、認証情報保護のためのハッシュ化アルゴリズムの強化や、フィッシング耐性のある多要素認証(MFA)の実装といった、より踏み込んだセキュリティ対策が必須となります。これらの対応を怠ると、攻撃者がネットワーク内部へ侵入し、横展開型のさらなる被害につながる危険性が非常に高い状態です。

ポイント

  • 複数の機器から漏洩した認証情報が悪用される「FortiBleed」と呼ばれるサイバー攻撃が確認されている。
  • CISAは影響を受けるユーザーに対し、全セッションの強制終了とパスワードのリセットを緊急に求めている。
  • 推奨される対応には、フィッシング耐性MFAの義務化、ハッシュアルゴリズムの強化、管理アクセス制限など多岐にわたる対策が含まれる。

情シスへの影響

複数の機器から漏洩した認証情報が使用され、外部からの不正アクセスが発生している可能性があるため、全ての関連システムを直ちに確認する必要があります。

  1. 認証情報のリセットとセッションの強制終了: すべてのVPNゲートウェイやファイアウォールに関わる管理者アカウントのパスワードを強力にリセットし、アクティブなセッションを即座に切断することが最優先です。

  2. 多要素認証(MFA)の導入/強化: 現行のセキュリティポリシーを見直し、特にリモートアクセスや管理インターフェースへの接続において、「フィッシング耐性」を持つMFAが義務化されているかを確認し、未実装の場合は早急に適用を検討してください。

  3. パスワードハッシュ処理の見直し: 管理者アカウントで使用される認証情報の保存方法(ハッシュ)について、レガシーな脆弱な形式ではなく、「PBKDF2」のようなより安全なアルゴリズムが使用されているかを確認し、必要に応じて変更が必要です。

  4. 管理面の露出削減とログの監査: ファイアウォールの管理インターフェースがパブリックインターネットから直接アクセスできないよう制限をかけ(ジオブロッキングやVPN経由など)、また過去および現在発生している全ての認証ログ、ネットワーク通信ログにおいて、不審なログイン試行や異常な内部的な移動(ラテラルムーブメント)がないか徹底的に監査を行う必要があります。

重要度

★★★★★

対象者

  • セキュリティ担当者
  • ネットワーク管理者

優先度

今すぐ対応

推奨対応

  • 全てのFortinetデバイスおよび関連するアクセスシステムについて、管理用アカウントのパスワードを強力なもので即時リセットすること。
  • すべてのVPNゲートウェイやリモートアクセスポイントにおいて、既存のセッション強制切断を実施し、未利用のアカウントは無効化または削除すること。
  • セキュリティポリシーを確認し、可能な限りフィッシング耐性を持つ多要素認証(MFA)を適用・義務化する計画を策定し、早急に実行を開始すること。
  • 管理アクセスポイントの露出度を見直し、可能な限り信頼できる内部ネットワークからの接続のみに制限(IPアドレスによる制限など)を行うこと。具体的な対応は必ずベンダー提供の公式情報を確認したうえで実施してください。