解説

本稿では、セキュリティ対策の一つである「ネットワーク隔離」について説明しています。ネットワーク隔離とは、マルウェアに感染したデバイスが内部ネットワーク内で他のデバイスに脅威を広げるのを防ぎ(ラテラルムーブメント)、被害を最小限に抑えるための技術です。

しかしながら、この強力な隔離措置をとる際にも、管理ツールやセキュリティソリューション自体など、「どうしても稼働させなければならない重要なサービス」が存在します。これらの必須機能が停止してしまうと、問題解決(リモートでの修復作業)や監視体制そのものが維持できなくなってしまうという課題があります。

このため、Microsoft Defender for Endpointは「選択的隔離除外(selective isolation exclusions)」という機能を導入しました。これにより、特定のデバイス、プロセス、IPアドレス、またはサービスなどをネットワーク隔離の対象からあえて除外することが可能になります。結果として、広範囲な脅威からシステムを保護しつつも、本来業務上必要な監視や修復といった重要な機能は継続させることが可能になるのです。

この仕組みにより、セキュリティ強化と業務継続性の両立が図れます。特に、インシデント発生時など緊急時に、サービス停止のリスクを考慮しながら対策を講じられる点が注目されます。

ポイント

  • ネットワーク隔離は、感染デバイスの広範囲な被害拡大を防ぐ重要なセキュリティ機能である。
  • しかし、重要な管理ツールや監視サービスが誤って隔離されると業務継続性に支障が出る。
  • 本機能では、特定の必須プロセスやIPなどを隔離対象から除外することで、セキュリティ維持と運用業務のバランスを取ることを可能にする。

情シスへの影響

ネットワーク隔離を適用する際、管理用ツールや監視システムが誤って隔離対象となってしまい、緊急時の修復作業(リモート対応など)ができなくなる可能性がある。

この機能を用いることで、セキュリティ対策によるオーバーキルな停止を防ぎつつ、本番環境で常に稼働している必要不可欠なサービスを例外として保持できる。

重要度

★★★☆☆

対象者

  • ネットワーク管理者
  • セキュリティ担当者

優先度

計画的に対応

推奨対応

  • 現在導入しているデバイスの隔離ポリシーをレビューし、管理ツールや監視システムが誤って除外されていないか確認する。
  • 選択的隔離除外の設定方法について詳細なドキュメントを参照し、社内の業務フローに合わせた例外設定のガイドラインを作成する。